円筒型ドラムと円錐型ドラム
円筒型と円錐型ドラムは、筒型ドラムの最も一般的な型です。
円筒型ドラムの大きさと高さの比率はかなり多様ですが、上から下まで同じ直径をしています。
円錐型も形、大きさはまちまちで、平皿型からゆるやかな長い円錐型まであります。
また、2つのドラムを布でくるんだ二重ドラムもあります。
両型共、単面、両面いずれもあり、有史前から世界中で使われています。
円筒型ドラム
ダウリ(ギリシャ)、テュパン(ブルガリア)、イシグブ(南アフリカ)、トゥミール(ロシア)、タブラ(インド)
締太鼓/桶胴/大拍子(日本)、
円錐型ドラム
テンガ(ウガンダ)、タブラ(インド)、コボロ(エチオピア)、バータ(キューバ)、
樽型ドラムと砂時計型ドラム
樽型ドラムと砂時計型ドラムは、単純な筒型ドラムの変種です。
いずれも面は同じ大きさで、単面も両面もあります。アフリカで多く見られますが、東南アジアでも重要な
楽器です。砂時計型ドラムは、西アフリカと日本で多く見られます。
樽型ドラム
ドーラ/トム・トム/ムリダンガ(インド)、楽太鼓/大太鼓/太鼓(日本)
砂時計型ドラム
チャンコ(朝鮮)、カルング(ナイジェリア)、ドグドギ/フルク(インド)、鼓(日本)
ゴブレット型ドラムと足つき型ドラム
ゴブレット型のドラムは、アラブ諸国で多く使われる単面ドラムで、陶器、木、金属でできていて大きさも様々あります。膜面となる皮が胴の縁に、にかわづけされているものが多く見られます。
足つき型ドラムも単面で、胴体から切り出された足がついており、北アメリカ、アフリカ、オセアニアの各地のものに共通して見られる特徴です。
ゴブレット型ドラム
タラブカ(ギリシャ)、ダルブク(ユーゴスラビア)、タラブッケ・ドラム(イスラム諸国)、ジャンベ(西アフリカ))
足つき型ドラム
トラルパンウエウェトル(メキシコ)、
長胴型ドラム
長い形をしたドラムの総称です。
最も単純な長胴型ドラムは、いまなおアフリカで見られ、一本の木をくり抜いてつくったものが多いです。
ニューギニアの長胴型ドラムには、木の胴の側面に、彫刻をした特徴的な取っ手がついており、鼓面には
響きをよくするために小さな球がつけられたものもあります。この小球は、クモが巣を張るときに分泌する
粘着性の物質でできています。
鉢型ドラム
鉢型ドラムは、壷や鉢状の胴に皮を張った、単面のドラムです。
古代エジプトに始まり、いまではアフリカをはじめ、アメリカ、アジア、ヨーロッパの広範囲に見られます。
しばしば一対で奏され、大きさもさまざまです。
オーケストラで使用される「ティンパニー」はこれに属します。
ダムル
ヒンドゥー教ゆかりのワンハンドサイズの両面太鼓です。
昔はヒンドゥーの僧侶が持つ神器の1つでした。シヴァ神が持つことで知られています。
日本のでんでん太鼓のように左右に振って使いますが、「ポンポン」と張りのある、素朴で小気味よい音を出します。